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運動不足は万病のもと?福利厚生でおこないたい従業員の健康支援【運動編】

人間が健康を維持するために重要な項目のひとつである「運動」。ランニングや散歩、スポーツなど、その種類は多岐にわたります。しかし、長時間労働やテレワークの実施が影響し、身体を動かす時間を取ることができない人も増えてきています。

今回の記事では、「健康経営」が注目される中、企業が従業員に対して実施したい施策について、運動不足がもたらすリスク運動習慣の現状を踏まえてご紹介します。

Contents

「健康経営」の広がりと、従業員の健康を守るメリット

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」。高齢化社会に向けた健康寿命を延伸する取り組みのひとつで、「健康経営優良法人」として評価・認定される企業の数も年々増えてきています。

従業員の健康を守ることのメリットとして、企業が「従業員の健康を守る」ために支援することで、「従業員の健康や働き方への配慮がなされている」とされ、企業のイメージアップ採用活動で有利な効果をもたらします。さらに、従業員が健康でいることで傷病手当の支払額が減少し、医療コストの削減にもつながります。

従業員にとっては、働く環境の中でストレスとなる原因が減少し、体調不良による欠勤なども少なくなり、生産性やモチベーションがアップする効果も見込まれるでしょう。

働く大人の運動習慣の現状

働き世代の運動習慣について見てみましょう。

厚生労働省が2019年におこなった「国民健康・栄養調査」では、「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している」ことを前提とした運動習慣がある人は、全年齢平均でみると男性で33.4%、女性で25.1%という結果でした。

中でも注目すべき点は、年齢階級別に割合を見ると男性では40歳代が18.5%女性では30歳代が9.4%となっており、働き世代の80%~90%が「運動習慣がない」ことを表しています。

続いて日常生活における歩数について見てみましょう。

厚生労働省が「健康日本21(第二次)」で掲げる一日の歩数の目標値は、20~64 歳 男性 9,000 歩 女性 8,500 歩 です。

目標歩数男性女性
20~64 歳9,000 歩8,500 歩
65 歳以上7,000 歩6,000 歩
厚生労働省「健康日本21(第二次)」一日の目標歩数

しかし、2019年の調査によると20~64 歳の平均歩数は、男性 7,864 歩、女性 6,685 歩という結果となり、目標値には届いていません。

テレワークによる運動不足

最近では働き方改革や感染拡大防止のため、テレワークを実施する企業も増えてきています。

株式会社イーヤスが2020年12月におこなった「テレワーク勤務する会社員と健康管理」の調査では、出社時と比較して「テレワークでは体を動かす時間が減った」と回答した会社員が70.9%となり、運動不足の問題が深刻化してきています。

自宅から職場まで往復2時間の身体活動をエネルギーに換算すると、およそ300kcal程度を消費していますが、自宅の中だけの活動では、およそ50kcal程度のエネルギーしか消費していません。

さらに、テレワークではエネルギー消費量が減ることに加え、お菓子や甘いものを間食として食べる機会も増えてきます。

2021年1月に、そのもの株式会社が30代~40代のテレワークを経験したことがある会社員を対象におこなった「コロナ太り」に関する調査では、「テレワークや自粛期間を経て、太ったと思いますか?」の問いには62.9%が「太った」と回答し、そのうちの50%が「3kg以上太った」と回答しています。

「運動をしない」ことによるリスク

「運動習慣がないこと」には、さまざまなリスクが潜んでいます。

  • 筋肉量の低下
  • 腰痛・肩こり
  • エコノミー症候群
  • 肥満症
  • 高血圧
  • 骨粗しょう症
  • 生活習慣病
  • うつ病などの精神疾患
  • 死亡率の上昇 など

厚生労働省によると、「運動不足」による死亡者数は「喫煙」、「高血圧」に次ぐ3位で、その数は年間5万人にも及ぶとのこと。

また、オーストラリアの研究機関が世界20カ国を対象におこなった調査によると、日本人の成人は平日に座っている時間が世界一長く、一日420分=7時間という結果が出ました。さらに、座っている時間と死亡リスクの関係では、1日の総座位時間が4時間未満の成人に比べて、8~11時間の人では15%増、11時間以上では40%も高まるという結果も出ています。

「運動習慣がない」ことは、生産性を落としたり、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしたりするだけでなく、死亡リスクも高めてしまうのです。

企業が従業員に対してできる運動サポート

運動に関連した従業員の健康支援として、企業が実施したい施策をご紹介します。

①運動に関する費用補助

従業員の運動に関する費用の補助も、人気のある福利厚生です。

運動をする習慣のない人が運動を始めようとすると、スポーツウェア、シューズ、スポーツ用品、施設利用料など、さまざまな初期コストがかかります。想像以上に費用負担がかかるとなると、せっかく運動を始めようと思った心が折れてしまう可能性もあります。

そこで、企業の福利厚生として運動にかかった費用を補助する制度を作ることで、運動に対してのハードルが下がり、日常的に運動をする習慣を取り入れやすくなります。

②オンライン健康セミナー

テレワークを実施する企業が増えたことや、なるべくオフィスには行かないことが推奨される中、最近では「オンライン健康セミナー」に取り組む企業も増えてきています。

実施内容はエクササイズやヨガなどの運動関連だけでなく、食事や睡眠、美容、禁煙といった、健康をテーマにしたさまざまなセミナーを実施し、興味のあるセミナーに従業員がオンライン参加をしています。

③スタンディングデスクの導入

GoogleやAppleをはじめ、日本でも多くの企業が「スタンディングデスク」を導入しています。長時間座ることが健康悪化を高めてしまうリスクを抑えるだけでなく、アイディアの創出やコミュニケーションの活性化、会議の簡略化を進める効果があります。

デスクそのものが昇降するタイプのものや、普段使っているデスクで利用できる卓上タイプなど、さまざまな種類があります。また、従業員の個人デスクをすべてスタンディングデスクに変更する企業もあれば、会議室や休憩室のみデスクを変更するなど、企業の予算や用途に合わせて変更場所を検討するとよいでしょう。

④歩数に応じたポイント付与

スマホで計測されている歩数実績に応じて、社内ポイントを付与する取り組みです。取得したポイントは、商品や食事券との交換、社内経費の支払いでの使用、賞与の査定対象、現金への交換などの形で従業員へ還元されます。

企業によっては、「一日5000歩以上歩いた場合」、「体重を入力するだけ」など、ポイントを取得するための条件を設定しているケースがあります。

⑤社内イベントの充実

運動会や社内イベントとしてのスポーツ大会の開催や、運動系の部活動を活発化させることも、運動を促進させるひとつの方法です。

また、運動が苦手な人や女性でも気軽に参加ができるように、ストレッチやヨガなどを会議室で開催するのもよいでしょう。退勤後に実施することによって、残業時間の短縮にもつながります。

日常の中で実践したい「運動」

忙しくて運動をするための時間を割けない人でも、私たちが普段生活している動作の中には、少し意識を変えるだけで実践できる「運動」があります。

  • こまめにストレッチをする
  • 休憩時間に散歩をする
  • 早歩きで歩く
  • 立ちながら仕事をしてみる
  • 普段使っている駅のひとつ前で降りて、歩いて会社に向かう
  • エレベーターやエスカレーターではなく、階段を使ってみる
  • 歯を磨いている間は「つま先立ち」をしてみる

こうした小さな積み重ねを習慣にしていくことで、座りすぎや慢性的な運動不足の緩和につながる可能性があります。ぜひ新しい習慣にしてみてください。

まとめ

従業員の健康を守ることは、企業にとっての責任でもあります。しかし、運動することを個人に強制することはできません。企業は従業員が健康づくりに関心を持ち、自主的に取り組めるようサポートをおこなうことが求められるでしょう。

また、「企業」や「従業員」としてではなく一人の「人間」として、現在の自分自身の健康を守るため、そして未来の自分が健康でいるために、今からでも小さな「運動」を実践してみてはいかがでしょうか。

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