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【SDGs×企業】市場拡大が進むESG投資 ESGとSDGsの関係とは

企業が継続的に成長するための指標として、ESG(環境、社会、ガバナンス)が存在感を増しています。SDGs(持続可能な開発目標)と切り離すことができないESGとは何か?なぜ重要視されているのか。企業としてESGに取り組むメリットについてご紹介します。

ESG投資とは

企業の持続性・将来性を評価するための方法として、ESGへの取り組みが重要視されています。ESGとは「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」の頭文字をとったもので、ESG投資とは、財務情報に加えて、これらの非財務情報の開示および取り組みに積極的な企業へ優先的に投資を行うものです。企業のESGへの取り組みが投資プロセスに取り入れられることを指します。

SDGsとESGの違い

SDGsとESGとは、どのような違いがあるのでしょうか。SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、2030年までに持続可能な発展を目指して設定した17個の国際目標です。地球温暖化を引き起こしている二酸化炭素排出量の削減や、貧困問題など、世界が一丸となって推進することで、サステナブルな社会を実現していくためのゴールです。

SDGsが、政府だけでなく、企業や自治体、個人まで巻き込んだ目標であることに対して、ESGは企業と投資家を対象にした、ビジネスに限定した指標です。とはいえ、ESGの取り組みの中には、SDGsの目標・ターゲットと重なる点があるので、ESGはSDGs達成への1プロセスとして認識するのが適切でしょう。

ESG投資の規模が拡大

2006年に国連が主導で発足したPRI(国連責任投資原則)は、ESG要因が投資パフォーマンスに影響をもたらすという前提に経ち、投資に非財務情報であるESGの視点を組み入れることが提唱されました。日本では、2015年に「世界最大の年金基金」である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名。2017年に本格的にESG投資を開始したことや、日本政府によるESG投資の推進などにより、マーケットの規模が拡大、注目が高まっています。

PRIへの署名数は3038、運用資産総額は約103兆ドルに達した(2020年現在)

参考:PRI

PRI(国連責任投資原則)

ESGの具体的取り組み

ESGへの取り組みとしてどんなことが対象となるのでしょうか。環境面では、地球温暖化防止への取り組みとして、オフィスや工場での再生可能エネルギーの使用による二酸化炭素排出量の削減、社会面では、外国人労働者の採用による多様性、長時間労働の是正、コンプライアンス面では、積極的な個人情報の管理、投資家。投資主への情報開示に取り組むことなどが挙げられます。

ESGに関するマテリアリティ(重要課題)の一例

ESGが重要視される背景

2020年10月26日、菅内閣総理大臣は、所信表明演説において、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする(カーボンニュートラル)ことを宣言しました。地球温暖化対策は待ったなしの状況にあります。消費者の意識も高まり、環境に配慮した製品かどうかなど、企業のSDGsへの取り組みが消費の判断材料となりつつあります。

時価総額でトヨタを抜いたテスラ

2020年7月には、テスラが時価総額でトヨタを抜いたことが大きなニュースとなりました。2019年の販売台数ではトヨタが1,074万台に対し、テスラは約36万台と、トヨタの30分の1、利益も赤字だったにも関わらず。その背景には、テスラが電気自動車(EV)の開発に注力していたこと、環境変動のリスクを投資家がビジネスチャンスと捉えたことになどが作用したと言われます。

テスラの時価総額は、2021年には7000憶ドルを突破した

ESG投資の市場規模が拡大

2018年に世界のESG資産合計は約31兆ドルでした。特徴としては、増加傾向が著しく、地域別では、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア・ニュージーランドでは、投資家が保有する総運用資産のうち、ESG投資が過半を占めるまでに成長しています。海外投資家が存在感を増す傾向にある日本の市場において、そうした海外の投資動向が国内にも波及しています。

ESGに取り組むメリット

先ほど整理したように企業としてESGに取り組むことは、SDGsへの取り組みであると同時に、投資家や企業に向けた自社の存在価値の向上や、将来のビジネスチャンスにつながると捉えられています。

  • ステークホルダー(利害関係者)からの賛同が得られる
  • ブランド力の向上
  • ESG経営により、資金調達に有利に働く
  • 優秀な人材が確保できる

ESGに取り組む企業ランキング

ESGの取り組みが企業のブランド価値向上につながる例として、日経BPが行っている「ESGブランド調査」があります。

ESGへの取り組みを開示することがブランド価値の向上につながる

〈ESGブランド調査とは〉
560の企業ブランドを対象に、一般の消費者やビジネスパーソンがESGの視点からどんなイメージを持っているかを聞くインターネット調査したもの。調査時期は2020年5月25日~6月30日、約2万1000人が回答。

参考:第1回 ESGブランド調査 

1位のトヨタ自動車は総合的に評価が高く、プリウスに代表される「エコカー」への取り組み、未来の都市「スマートシティ」プロジェクト、トップの発信力の高さがブランドイメージにつながったとしています。

2位のサントリーは、環境における評価が高かったことが挙げられています。「水と生きる」というコーポレートメッセージを掲げる同社は、全国15都府県21カ所、約1万2000haに拡大している「天然水の森」活動が広く認知されていることが、「生物多様性の保全」や「自然保護」など環境のプラスイメージに結びつき、企業ブランドを高めていると指摘しています。

まとめ

ESGは投資分野においてメインストリームになりつつあり、個人投資家向けのESG投資信託も人気が高まっています。企業の長期的な成長のためには、欠かせない価値観となっています。環境や社会、ガバナンスへの取り組みにより、企業の存在価値を高めることにつながるといえるでしょう。

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