「おいしい」目線で考える福利厚生マガジン|びずめしプラス

知っておきたい「食の福利厚生」 食事補助・食事券サービスのパターン

働き方の多様化が進み、テレワークを推奨する流れが続いています。業務効率化だけでなく、社員のモチベーション、コミュニケーションの向上など、社員の健康管理をいかに行っていくのかが課題です。そのカギとして注目されるのが「食の福利厚生」です。


オフィス内の食堂やカフェを提供するのではなく、食事補助や食事券を付与することで、社員が好きな場所、タイミングで食事を利用できるサービスが注目を集めています。稼働率の下がった社員食堂を見直そうという企業や、食にまつわる福利厚生サービスを導入したいという企業におすすめしたい食事補助・食事券サービスをご紹介します。

食事券・食事補助サービスを導入する目的

新型コロナウイルス感染症対策を契機として出勤は週2日、営業回りがオンライン商談に切り替わった、など、ワークスタイルの変化が起きています。テレワークに伴い、在宅時間が長くなりつつあります。ワークスタイルには、慣れてきたものの次に心配されるのは、健康面のこと。PC作業をしていて会話がない、通勤が減ったことで運動不足になった、ついつい間食を摂り過ぎてしまう…など、健康面の悩みを挙げる方が増加しています。

ジムに通うという手もありますが、外出自体を控えざるを得ない状況では「わかっているけれど…」というのがホンネではないでしょか。

食事面に関する補助を導入するメリットとして、挙げられるのは、

・すべての社員にとって公平な福利厚生

そもそも福利厚生は、契約形態問わず、すべての社員が受けられるものです。ですが、家族手当や住宅補助は、条件に当てはまる場合に適用され、不公平感や反発を招く場合もあります。一方、食事補助であれば、内勤・外勤、職種を問わず「食事代の一部を企業が負担する」ものであるため、公平です。

・社員同士のコミュニケーションを促進

部署をこえた社員、チーム内でのコミュニケーションを促進するツールとして食事は最適です。社員食堂やカフェスペースなど、社内に交流できる場があることで、社内の交流を促進することができます。

・社員の健康を食でサポート

社員食堂やオフィス内にお弁当や惣菜がデリバリーされるサービスなど専門の業者によって作られる食事は、栄養バランスが考えられています。また、食事券の場合は、バラエティ豊富な食事から選んで好きなものを食べることができます。毎日の食事代を節約するためにコンビニなどで偏った食事をとる社員にとって、食の福利厚生は、経済的支援になるできるだけでなく、健康面でのサポートになります。

健康投資に力を入れる企業が増えている

福利厚生と一言にいっても、会社からのどんな手当を指すのか、ご存じでしょうか。福利厚生は、法定福利厚生と法定外福利厚生の2つに分類されます。

法定福利厚生とは、その名の通り、法律で義務づけられた福利厚生で、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料、子ども・子育て拠出金が該当します。

一方、法定外福利厚生は、企業が任意に行う社員等向けの福祉施策の費用のことを指します。

 

一般社団法人 日本経済団体連合会が加盟企業608社から回答を得て、2020年12月18日に発表した、「第64回 福利厚生費調査結果報告」によると、法定外福利費の平均は、24,125 円。中でも、医療・健康費用が 3,187 円(法定外福利費に占める割合は13.2%)と高く、健康投資に力を入れている企業の姿勢が伺える結果となっています。 

出典:一般社団法人 日本経済団体連合会「第64回 福利厚生費調査結果報告」

 

法定外福利厚生の種類は大きく分けて以下の9種類です。

  • 住宅
  • 健康・医療
  • 慶弔・災害
  • 育児・介護
  • 自己啓発
  • 業務・職場環境
  • 休暇
  • 文化・体育・レクリエーション
  • 財産形成

朝食を無料提供するケースは、「健康・医療」に、社員食堂やカフェの設置は、「業務・職場環境」に、食事補助は、「その他」として分類されます。

それぞれ、法定外福利厚生としては以下に分類されます。ここでは、食事補助を中心にご紹介します。

人気の福利厚生は「食堂、昼食補助」がトップ

労働政策研究・研修機構が全国の10人以上規模の民間企業1万2,000社と、そこで働く社員約5万4,000人を対象に行ったアンケート調査によると、社員が自分にとって必要性の高い福利厚生として挙げているものは、「人間ドック受診の補助」(21.8%)、「慶弔休暇制度」(20%)、「家賃補助や住宅手当の支給」(18.7%)、「病気休暇制度(有給休暇以外)」(18.5%)で主に「健康管理」、「休暇制度」に関連するものが目立っています。

マンパワーグループが18~60歳の男女972人を対象に行った調査によると、こんな調査結果がでています。

〈自分が働く企業にあったらいいなと思う福利厚生〉

1位「住宅手当・家賃補助」(48.3%)

2位「食堂、昼食補助」(33.9%)

〈あって良かったと実感した福利厚生〉

1位「食堂、昼食補助」(17.1%)

2位「住宅手当・家賃補助」(16.7%)

生活に欠かせない出費を、給与以外で支援してもらえる福利厚生は、社員にとって満足度が高いことがうかがえます。

出典:労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」

食事補助のパターン

では、実際に食事補助を行うケースとしてはどんなものがあるのでしょうか。

代表的なものとしては、

  • 設置型_社員食堂・オフィスコンビニを設置する
  • デリバリー型_お弁当を支給する
  • 福利厚生代行サービス_飲食店で使える食事チケットで支給する

があります。

設置型_社員食堂・オフィスコンビニを設置する

近隣に飲食店がない場合や高層ビルに入居していて昼食時の移動が混雑して困難などの理由で、規模の大きな企業では、充実した社員食堂をもつメリットがあります。ひとつはブランディングにつながるという点。もう一つには、食事のために集う場があることで、社員のコミュニケーションを促進する効果が見込める点です。

ただし、社員食堂を維持するためには、場所、食材調達、人材など維持費用がかかります。また、株式会社リクルートライフスタイルの調査で、昼食で社食が使える人は22.7%、週平均では、2.1日利用、「ほとんど使わない」人が45.8%という結果も。安定的に運用するためには、メニューの工夫や味付けなどに工夫が求められます。最近では、単独では難しい社食運営を、複数の企業で共同運営するなどのユニークな動きもあります。

そこまでの規模がない企業では、オフィスコンビニや、惣菜やお弁当をオフィス内で販売する設置型のサービスがあります。購入費用の一部を社員が負担するため、会社側の負担金額が明確で導入が容易なこと、また、専門の業者によって栄養バランスの取れた食事が提供できる点がメリットです。ただし、オフィス内に設置用のスペースを確保する必要があるでしょう。

〈サービス例〉

・オフィスでごはん https://www.officedeyasai.jp/plan/gohan/

・シャショクル https://stafes.co.jp/

・オフィスおかん https://office.okan.jp/

デリバリー型_お弁当を支給する

毎日お弁当を届けてくれるデリバリー型のメリットは、社食やオフィスコンビニほどのスペースがなくても、省スペースで導入可能なこと。また、最近では、お弁当のバラエティが豊富です。ワンコインから、有名料理店のお弁当まで、好みに合わせたセレクトが可能です。デメリットとしては、バラエティが豊富だからこそ、どんなお弁当をチョイスするのか、飽きがこないよう社員の好みに合わせた細やかな発注が重要になります。

〈サービス例〉

・オフィスde弁当 http://officedebento.com/

・オフィスでごはん https://www.officedeyasai.jp/plan/gohan/

・ごちクルNow https://gochikurunow.com/lp/

食事券支給型_飲食店で使える食事チケットで支給する

社内で利用できるサービスでは、どうしても内勤・外勤で不公平になってしまいがちです。福利厚生を代行するサービスとして注目されているのが、加盟している飲食店ならどこでも利用できる食事チケットを社員に提供する食事補助サービス。社内にはスペースが必要なく、オフィスの近隣だけでなく、飲食店を社食として利用できるので、リモートワーク中や出張中の社員も利用可能な、利便性の高さがメリットです。

提供方法には、紙のチケットを社員に配布するもの、スマホで利用できる電子チケットを付与するものがあります。

〈サービス例〉

green https://lp.green.work/

ジェフグルメカード https://www.jfcard.co.jp/

びずめし https://bizmeshi.jp/

食事補助を導入する際のポイント

①福利厚生費として計上するための要件

ここまで食事補助サービスについて紹介してきましたが、社員に福利厚生費として食事補助を実施するためには、満たすべき3つの要件があります。

  • 企業の負担額が月額3,500円(税抜)以下であること
  • 社員が食事費用の半分以上を負担すること
  • すべての社員が利用可能なこと

この要件を満たしていないと、課税の対象となるので注意が必要です。

企業の負担が3,500円以下になるためには、社員が月額3,500円以上を自己負担することで、福利厚生費(非課税)として計上できます。

課税対象になることを前提に、会社側が全額負担し、食事を提供する企業もありますし、デリバリー型など、要件を満たすようなプランを用意している場合もありますので導入時に確認しておくと安心です。

②社員に喜ばれる最適な食事補助を検討する

人数の規模、社員の働き方、食事スタイルをリサーチしたうえで、どんな食事補助がベストかを検討しましょう。お弁当を持ってきている社員が多い場合は、お弁当をデリバリーしてもらうのではなく、副食メインのサービスがマッチしそうです。また、営業や工事関係など、社外にいる社員が多い職場では、設置型社食は向かないでしょう。ランチタイムを交代制でとっており、時間差があるなど、社員がどんな食事補助であれば受け入れやすく、利用しやすいのかを、見極めることで、満足度の高い福利厚生となります。

試験的にいくつかのサービスを導入して、アンケートを取るのも効果的です。

従業員公平性運営コスト社内スペース
設置型スペース代・水道光熱費・処理等雑費・
食材費・調理等委託費・
厨房設備等原価償却費
必要(厨房・食事スペース)
*オフィスコンビニの場合は、設置什器分のスぺースが必要
デリバリー型利用プランに応じて発生必要(お弁当設置・食事スペース)
食事券支給型なし(食事券代金+サービス利用料実費)必要なし

まとめ

いかがだったでしょうか。福利厚生のなかで社員の満足度が高い食事補助・食事券についてご紹介しました。日々の生活に欠かせない食事を経済的に支援することで、企業も社員もともに満足できる健康的な職場づくりを行っていきたいものです。

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