「おいしい」目線で考える福利厚生マガジン|びずめしプラス

ニューノーマル時代の様々な働き方を支援する、これからの福利厚生のあり方とは?

リモートワークが拡大し、働き方が多様化しています。「通勤」を前提にした福利厚生では、従業員満足度を維持・向上することが難しくなっています。現在、企業側ではどんな課題感を感じているのか、ニューノーマル時代にマッチする福利厚生のあり方とは? 福利厚生の最新動向をご紹介します。


※本記事は2021年5月18日に開催されたHRカンファレンス2021春での特別講演の内容をもとに校正したものです

Contents

福利厚生の最新動向

コロナ禍によりテレワークが定着し、従来の職場の概念が崩れ、不可逆な働き方改革が加速しました。テレワークを導入した企業の多くは、今後もテレワークを継続し、出社率を大幅に抑える経営方針を打ち出しています。ニューノーマル時代では、在宅勤務などの職場に出社しない働き方を、デファクトスタンダードとして考える必要があります。

テレワークは働き方の新たなかたちとして定着しつつある

職場に出社しない働き方を標準とし、在宅勤務に加えて、サテライトオフィスやレンタルオフィスの提供、外出先でのモバイルワーク用にシェアオフィス、コワーキングスペースの活用が広がっています。また、仮想空間で疑似出社ができるバーチャルオフィスを施行する動きもあります。

社員側の動きを見ても、副業・複業・兼業、スキルシェア、ワークシェアリング、フリーランス、ワーケーション、地方移住など、さまざまな働き方が浸透してきました。多様化した働き方に応じて、福利厚生サービスも、新たな枠組みでの再構築が求められています。

「社食」もコロナで変化を余儀なくされる?

近年は、採用活動においても、おしゃれで、豪華な社員食堂の「見せる化(見える化ではない)」が応募者にアピールし、内定者の引き止め等に効果を発揮していたと聞いています。

社員食堂というのは、実は「働く毎日」を実感するうえで実に効果的な、リアルな空間です。特にランチタイムはビジネスマン、ビジネスウーマンにとって一日のなかでの最も大事な“癒し”の時間であるだけに、ポジティブな印象をもっての仕事生活と結びつきやすいのです。元気のある会社ほど、また、社員を大切にしようという経営理念がある企業ほど、社員食堂がきれいで、活気があって、そして社内でもいい場所に設置されています。

開放的な空間とインテリアで話題になったavexの社食(出典:avexホームページ

社員食堂の多機能化に力を入れて、様々な効果を期待していたわけですが、現状はどうでしょう。(リモートワークの導入により)閑散としているのではないでしょうか。今はインターンシップからZoom対応が主流となっており、ご自慢の社員食堂を見せびらかすこともできません。やがて出勤できるようになっても、当面の間は「三密回避」が前提となることは間違いなさそうです。席数に対する稼働率が以前のレベルに戻るのは、遠い先のことになるでしょう。となれば、例えば都心の一等地のビルの、いい場所に社員食堂を設置しておく必要があるか、という議論も社内で始まることになるのは確実です。オフィス自体を転居あるいは、広さを半減させようという企業もでてきているわけなので当然です。

脱「三密」時代に福利厚生はどう変わるか?

社員食堂というインソース、スポーツジムというアウトソーシングを問わず、施設があってそこに社食が出社する形式、そのことで様々な経営的効果が期待できる施策では、否応なく新たな対応が必要となると考えられます。わが国の福利厚生では、この「ハコもの」が多いことが世界的にも特徴でした。他にも、保養施設、仮眠室、休憩室、入浴施設、ロッカー室、喫煙室、相談室、お華・お茶といった習い事の部室等々、数多くの「三密」空間を社員に提供することで、オフタイムでの密な社員同士のコミュニケーション、共通体験、そこから醸成される一体感や親近感といった感情が高い勤労モラル、そしてモチベーションへと結実してきたのです。

研修や社員の保養などを目的とした福利厚生施設として建設された保養所(出典:お宿ねっと

コロナ禍以前より、住宅に代表される「ハコもの」の時代から、健康、両立、自己啓発などの「ヒトもの」の時代が、これほど急激に「ハコもの」の時代が終焉する可能性が出てくるとは、まったく予想すらできませんでした。不要不急、コスパの悪い「ハコもの」を徐々に整理・縮小することが、企業としての必要性、従業員ニーズが新たに高まっている分野への新規投資の原資を捻出するために不可欠です。

昨今のワーク・ライフ・バランス志向、ダイバーシティ志向などの新しい流れの中で、働き方やその成果、そして評価を進化させていこうとする考え方からみたときに、「仕事から生活へ」という従業員たちの心理や行動の変化は、ひとつの期待を与えるものと捉えることができます。仕事を生活のバランスを従業員が自律的に維持できるようになることで、心身の健康を保ち、長く健全な労働力として貢献が期待できるようになるのです。また、このようなワーク・ライフ・バランスに対する従業員の自律的なマネジメント力の向上のなかで、女性、若者、高齢者、育児中、介護中、疾病治療中、兼業・副業といった様々な性・年齢、生活課題、働き方を持つ人々が会社という組織内で活躍の場を得ることができます。テレワーク自体が時間と空間という強い制約を劇的に軽減したのです。

テレワークの現状

ではテレワークの現状はどうなっているのでしょう。当社では『月刊総務』を通じて 企業の総務・人事担当者148人に福利厚生についての調査を実施しました。

テレワークの実施状況について

テレワークの実施状況についての回答では、「主にテレワークをしている」15.5%、「部分的にテレワークをしている」が62.8%、「完全に出社している」が21.6%という結果でした。約80%の企業がテレワークを実施していることがわかります。テレワーク導入に伴う手当の実施率は32.8%と、実施率に対して、手当を行っている企業は1/3程度と、社員への福利厚生としては十分ではないという現状が明らかです。

週1、2回出社して部分的にテレワークを実施している人が多い

福利厚生において、力を入れているテーマは?

健康、医療に力を入れている企業が多いことが分かります。また、ワーク・ライフ・バランスも伸びてきている分野です。また、通勤・住宅や社内活動・レジャーは減少傾向にあります。

福利厚生において、導入している食事手当の制度

福利厚生の中で人気のある食事補助についてはどうでしょう。食事補助を実施している企業は23%。導入している制度では、従来から人気のある社員食堂が15%と圧倒的です。社員食堂がない場合は、お弁当をとる、現金支給、置き食が多く導入されています。食については、出社しなくなったり、テレワークにより見直しを迫られている分野といえるでしょう。

福利厚生で人気の高い食事手当。社員食堂の運用は見直しを迫られている

現状の福利厚生の課題

課題として挙げられている企業が多かったのが「全従業員への公平な制度」。大きな拠点と小さい拠点の差が出てしまう、対象者に偏りがあるなど「公平性」については気になるところです。もうひとつは「利用率のアップ」。良く利用する人とあまり使用しない人に分かれてしまうという意見です。

目新しい点としては、「新しい生活様式を取り入れたことにより、これまでの一般的な福利厚生では不足している、視点を変えた新しいものが必要だと感じている」「テレワーク継続に対する福利厚生の見直し」「飲食店での歓送迎会や懇親会等のイベントが休止を余儀なくされ、職場外での懇親の場が設定できない」といったものがありました。

福利厚生の最終的な目標としては社員のモチベーションアップにつながること、離職防止や求人時の売り文句になるように採用や人事に活かすことです。 従来やっていた会社の行事ができなくなったこと、通勤手当の支給が不要になったものの、テレワーク手当として光熱費・通信費の手当に切り替わっているわけではないので、社員にとっては「福利厚生の質が低下した」と受け取られていることはマイナスです。

コロナ禍での福利厚生の新たな試み

独自で行っている福利厚生事例をアンケートで集めたところ、コロナ禍になってから実施した新たな取り組みとして以下のようなものがありました。


・WEBで懇親会を開催した際に、飲食代補助
・社員旅行を中止した代わりにマスク・加湿器を配布
・健康チャレンジ(各人が健康に関する目標を設定し、達成した場合、食事券を支給)
・在宅勤務者用にオンラインフィットネスプログラムを導入
・チームランチ制度。オンラインランチでもOK。一人あたり月3,000円を上限に
・家賃補助制度の導入を検討中
・社員旅行を中止した代わりにマスク・加湿器を配布
・WEBで懇親会を開催した際に、飲食代補助
・資格取得補助金、図書購入費負担
・定期血液検査と看護師のコンサルテーション
・コーヒードリンク補助

総務としてやりがいを感じる福利厚生とは

懇親の場や旅行などが行えなくなっている今、もともと福利厚生として行っていた行事が実施できなっています。福利厚生の目的である、すべての社員にとって公平で利用率の高い取り組みをどのように実現していくのか。代替となるサービスで社員のエンゲージメント向上につながげていくのか、模索が続いています。

公平で利用率の高い福利厚生サービスが社内エンゲージメントや定着率につながる

ニューノーマル時代の福利厚生 びずめし

コロナ禍により、ハコものの福利厚生が機能しなくなっている。経団連の調査でも人気のある社員食堂。「びずめし」はまちの飲食店を社員食堂として使える新しいサービスです。食の福利厚生は満足度が高い。社員は食事が楽しめて満足、企業は飲食店を支援できる。SDGsの観点からも地域貢献につながります。

リモートワーク、テレワークでも使える

会社の近隣のお店、リモートワーク中の自宅の近く、出張先など、びずめし登録店ならどこでも利用ができるので、拠点間や業務の違いによる不平等さはありません。

いろいろな使い方ができる

福利厚生税制内での食事補助として以外にも、任意の金額でチケットを付与することができるので、褒章や社内交流など、社食以外の目的でも活用いただけます。

  • 社食チケットとして(金額指定・枚数指定・割引率指定)
  • 特別手当チケットとして(誕生日)
  • 褒賞チケットとして(社長賞、MVPなど)
  • 社内交流チケットとして(チームランチ)

導入企業

びずめしの導入企業第一号である、株式会社ジャパネットホールディングス。全国22の拠点のうち、社員食堂のない17の拠点で導入、1,500名の社員への心身の健康として、また地域貢献を掲げる同社は新型コロナウイルス感染拡大に伴い苦境を強いられている飲食店に負担をかけることなく支援するびずめしのサービスモデルも導入の決め手となりました。

採用ページに福利厚生として掲載いただいています

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